法人税(2):課税対象所得と控除 (PPW No.554掲載記事)

 香港の日本語フリーペーパー「PPW(ぽけっとページウィークリー)」No.554号(2016年8月第4号)にKRSのコラム「法人税-課税対象所得と控除について」が掲載されました。  香港では、税務上の損益計算は会計監査上の計算と違う扱いが必要となる項目があるため、税務申告時に税務局に提出する税金計算書の中で加算/減算し、課税対象所得を算出します。本コラムでは、所得および控除の課税適否について解説しています。 PPWの記事コチラ (PPWのサイトにジャンプします)

<以下、記事全文、一部改変あり>

法人税-課税対象所得と控除について

監査会計上の損益計算と税務上の計算には扱いが異なる項目があるため、税務申告時にその差異を調整する必要があります。この差は、申告時に税務局に提出する税金計算書Tax Computationの中で加算Add /減算Lessし、課税対象所得を算出します。本コラムでは、課税および控除の適否について解説します。

(1) 課税対象となる所得(IRO内国歳入法 15項)

 香港では原則オフショア所得は非課税ですが、以下については香港を源泉とする所得とみなされます。

・映画、TV用フィルム等または録音を香港内で使用したことによる収入

・特許、デザイン、商標、著作権、技術等の香港内での使用、またはその使用権に関連した収入

・香港での動的資産の使用またはその使用権に関連する賃料

(2) 課税対象とならない所得

 下記の所得は通常、非課税となります(益金不算入。Non-Taxable Income、Tax exemption)。

・香港を源泉としない所得(オフショア所得)または利息

・銀行預金の利息収入

・資本資産の売却による所得

・受取配当金

・納税引当証書Tax Reverse Certificateに対する利息

・既に法人税が課せられた利息

・固定資産の処分による所得

・資本取引による収益(キャピタルゲイン)、および資本為替差益

・特定の債券certain Government bondに対する利息または売却益

(3) 控除できる費用(IRO 16項)

 一般的に、資本取引に関わる損失(キャピタルロス)とその経費を除き、課税対象所得を生むためにかかった費用(収益的支出)は控除の対象となります(損金算入。Deductible expenses、Allowable)。下記を含みます。

・借入金に対する利子

・不良債権(貸倒金)

・建物、工場、機械等の修繕費

・商標、デザインまたは特許の登録費用

・知的財産権の取得費用

・研究開発費。市場調査、経営、事業に関連する調査を含む

・個人事業主またはパートナーが、自営業者Self-employed personとして強制積立退職金制度(MPF)に基づき支払った積立金。ただし、配偶者分は除く。上限は年間HKD18,000まで

・MPFと職業退職金制度に基づいた強制または任意の積立金。ただし、上限は従業員の給与総額の15%まで

・指定チャリティー団体への寄付。合計HKD100以上、上限は課税対象所得の35%まで

・香港にある支社/子会社が本社に支払う本社管理費

・減価償却費(※ただし算出法異なる。次回コラムにて解説)

(4) 控除できない費用(IRO 17項)

 下記の費用は経費として落とせません(損金不算入。Non-deductible expenses、Disallowable)。

・私的な経費

・所得を生み出す目的以外の経費

・資本的支出

・事務所等の改修費(※ただし減価償却できる。次回コラムにて)

・保険または補償契約により補てんされる額

・指定退職金制度の積立金の過払い

・所得を生み出すため以外に使用される建物の賃貸料または関連経費

・個人事業主、パートナーまたはその配偶者に払う報酬、資本利子または借入金利子、MPF積立金

・IROに基づき支払われた税金。ただし従業員に代わって支払ったSalary Taxを除く(例:店舗・従業員住居等契約の印紙税費用)

・事業主またはパートナーの横領や着服による損失(従業員による場合は控除可)

・罰金や違約金(例:BR更新料支払いの遅延ペナルティ)

・建物の原状回復費用

・繰延支出

(5) 資本的支出と収益的支出(Capital and revenue expenditure)

 一般的に、資本的支出は1回限り発生し、その利得は長期的であるのに対し、収益的支出は継続的に発生し、その利得がすぐに消失するものです。収益的支出は経費として落とせますが、資本的支出は経費とみなされず控除の対象となりません。下記に例を挙げます。

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